夏場で悪化する避難所の衛生環境【宮城・石巻/南三陸発】

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ハエや蚊が大量発生、ハウスダストやダニによる健康被害も

避難所となっている小学校で、新しく配付した布団にシーツをかぶせる難民を助ける会の関井瑞穂(左)
避難所となっている小学校で、新しく配付した布団にシーツをかぶせる難民を助ける会の関井瑞穂(左)

   難民を助ける会では、東日本大震災の被災者支援の一環として、宮城県石巻市と南三陸町の避難所の約1000人を対象に、衛生事業を行いました。

   被災地では夏場に入り気温と湿度が上がるにつれ、避難所での衛生環境の悪化が問題になっています。難民を助ける会が調査した避難所では、地震発生後、支給された布団や毛布、マットレスを、天日干しや洗濯ができないまま長期間使用していたため、汚れがひどくなったりカビやダニが発生しています。また、避難所周辺ではハエや蚊が大量発生し、衛生環境が悪化しています。避難者の中には喘息をお持ちの方もおり、ハウスダストやダニなどは発作を誘発するため、こまめに洗濯や掃除ができないこうした避難所の環境はとても厳しいものです。また、アトピー性皮膚炎やアレルギー症状のある方は、暑さによる発汗の増加に加えダニなどにより症状が悪化するケースも見られます。


避難所の汚れやほこりを一掃します
避難所の汚れやほこりを一掃します

   そこで難民を助ける会では、こうした健康被害を最小限に食い止めるため、寝具の交換や天日干し、大掃除などを行ったり、布団乾燥機、掃除機、扇風機、除湿機や掃除用品、防虫剤、殺虫剤(ハエ取りリボン、ダニ・ノミ殺虫剤など)の配付を行い使用方法を指導しています。古く汚れた布団は回収し、夏季用タオルケットや新しい寝具を配付しています。また、冷蔵庫のない避難所には、食中毒を防ぐために冷蔵庫もお届けしています。6月14日から7月6日までに、16ヵ所の避難所で活動を行いました。


   難民を助ける会では、避難所の方々が厳しい環境の中で少しでも衛生的に過ごせるよう、引き続き活動を続けてまいります。

(難民を助ける会 仙台事務所 齋藤 えりか)



認定NPO法人 難民を助ける会
1979年、インドシナ難民を支援するために、政治・思想・宗教に偏らない市民団 体として日本で設立された国際NGOです。
2011年3月11日に発生した東日本大震災を受けて、地震発生当日より活動を開始。宮城県仙台市と岩手県盛岡市に事務所を構え、緊急・復興支援を行っています。
活動にあたっては、特に支援から取り残されがちな障害者や高齢者、在宅避難者、離島の住民などを重点的に支援しています。食料や家電などの物資の配布、炊き出し、医師と看護師による巡回診療など、多面的な活動を続けています。
■ホームページ http://www.aarjapan.gr.jp
■ツイッター  http://twitter.com/aarjapan

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