少しずつ「押し紙切り」が行われている?
慣例の輪番制からすれば、次にお鉢が回ってくるのは朝日だ。だが、秋山社長が就任を引き受けるまでには時間がかかった。関係者によると、秋山氏は就任の条件として(1)「販売正常化」を推し進めること(2)「読売→朝日→毎日」の輪番制をやめて中日新聞などのブロック紙や地方紙からも会長に就任させること、の2つを提示。特に(1)をめぐって、調整が難航したという。
秋山社長は、元々「販売正常化」に積極的な立場で、11年の社内向けの新年祝賀会で、朝日新聞の部数が「800万部割れ」した経緯について
「(販売店の)ASAが抱える過剰予備紙を整理する道を選んだ」
と言明。「過剰予備紙」は、新聞各社は公式には否定しているものの、実際には配られない新聞が販売店に押しつけられているとされる、いわゆる「押し紙」だと受け止められている。朝日以外にも、毎日、産経などがジリジリと部数を減らしており、業界内では「地方紙を含めて、少しずつ『押し紙切り』が行われており、コスト構造の改善が進んでいる」との見方が大勢だ。