休刊続くライバル誌、ネットに移行
ぴあでは休刊にあたってネット上に特別サイトを開設した。過去の表紙イラストの人気投票や、読者からのメッセージを公開している。
著名人も、動画でサイトにコメントを寄せた。脚本家の三谷幸喜さんは「ベルリンの壁が崩壊した時と同じくらいの衝撃を受けています」と独自の言い回しで心情を表した。過去には、ぴあの名物コーナーだった「1行投稿欄」に何度も投稿し、自身が考えた「面白ネタ」が掲載されたことを振り返っていた。ミュージシャンの布袋寅泰さんも、「とてもさびしい思いでいっぱいです」と話す。上京当時にイベント情報をぴあから得ていたエピソードを明かして、「青春の道しるべとなってくれた」と休刊を惜しんだ。
ここ数年、情報誌は全般的に厳しい状況にさらされていた。2010年には講談社の情報誌「TOKYO1週間」が休刊し、現在はウェブ版のみを運営している。角川グループパブリッシングの「東京ウォーカー」は健在だが、姉妹誌だった「千葉ウォーカー」や「神戸ウォーカー」は休刊した。ぴあの場合は中部版や関西版が2010年に休刊。首都圏版も週刊から隔週刊化にするなどしてしのいできたが、今回とうとう力尽きた格好だ。ぴあの主戦場は今後ネットに移るが、紙媒体からネットに乗り換えるライバルは少なくない。