警察「仕事に行かないよう身柄を確保」
「乗用車は、車線変更をするときにサイドミラーなどでの安全確認を怠っていました。それで接触事故を起こし、人が死んでいることを重くみました。現場で実況見分をするには、仕事に行かないよう身柄を確保しないといけないこともあります。過失の程度は低いかもしれませんが、バスも、発車前に安全確認をしないといけなかったわけです」
逮捕の妥当性について、車の安全に詳しい自動車評論家の岡崎五朗さんは、こう疑問を呈する。
「警察は、過剰な反応だと思います。逃走などの恐れがあれば身柄を確保しないといけませんが、今回の事故では、免許証で本人確認すれば済んだことです。『仕事に行かないように』というのは、屁理屈で説明になっていないと思いますね」
交差点近くでも、車線変更禁止を意味する黄色線が引いていなければ車線変更自体に法的な問題はない。しかし、後方から走ってくるオートバイを見落とし急に右にハンドルを切ったのは、明らかに乗用車を運転するドライバーの過失だという。その一方で、岡崎さんは、バスについては、過失が問われなくてもいいのではと指摘する。
「車体の下は、ミラーでも確認できないと思います。たとえ、後ろで大きな音がしたとしても、車の下に人がいると考えが及ぶのは難しいでしょう。ですから、青信号になれば発進してしまうのも無理はなく、運転手の逮捕は明らかに行き過ぎですよ」
また、岡崎さんは、オートバイのすり抜けも注意しないといけないと話す。
「車列のすき間があれば、心理的に行ってしまうので、オートバイの事故は多いですね。走っている車の間をすり抜けるのは危険が伴いますが、信号待ちで前に出ようとしたときも同様です。たとえ、車が止まっていたとしても、ドアが開くなどのこともありますから、最徐行で走るべきだと思います」