複雑な心情の住民も
とはいえ、越えるべきハードルは多い。渡波町では依然300人以上が避難所暮らしを余儀なくされている状況で、放置されたがれきの粉塵などが原因で体調を崩す住民も少なくない。5月に再開した渡波小学校では、かぜや感染症でのべ40人以上の欠席者が出ているといい、衛生状態の悪化が懸念される。行政との交渉も大きな壁だ。
ネット上では地元住民のものと思われる、
「マラソン…正直ちょっとまだやって欲しくない。それで元気になる人がたくさんいるなら構わずやってくれていいけど」
という、複雑な心情をにじませた書き込みもある。
瀬川さんは、こう話す。
「賛否両論はあると思いますが、いろんな声を真剣に聞いて、現地のニーズに応えられるような大会にしたいです。ただ走ってサヨナラではなく、被災地支援も含め、地域に根付いた活動として続けていく、その第一歩にできれば。現地の人の光、元気の源になりたい」