菅首相に「サプライズ訪朝」説 窮地抜け出す「一発逆転劇」あるか

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   浜岡原発の停止要請や「脱原発」宣言などが唐突な発表が目立つ菅直人首相に、今度は「電撃訪朝説」が浮上した。過去2回にわたって金正日総書記との首脳会談を行った小泉純一郎首相(当時)は、結果として会談後に支持率が上がったという経緯があるだけに、「追い詰められた権力者ならやりかねない」との見方もある。

   訪朝説は、自民党の山本一太参院政審会長が2011年7月19日、「未確認情報」と断りつつ、ブログやツイッターに書き込んだ。ブログによると、山本氏は、「ある朝鮮半島問題の専門家」から、

「菅総理が極秘に訪朝(日朝首脳会談)の準備をしているという噂がある。外務省を通さずに北側にアプローチしているらしい。今のところ、北朝鮮側から返事はないようだ」

という話を伝えられたという。

客観情勢を見る限り、「可能性ゼロ」と専門家

菅首相「訪朝説」、本当なのか
菅首相「訪朝説」、本当なのか

   山本氏は、

「まさかとは思うが、一応、警戒だけはしておかないと」

と、必ずしも可能性はゼロだとは見ていないようだ。

   だが、「可能性は全くない」と切り捨てるのは、コリア・レポート編集長の辺真一さんだ。その理由は、大きく3つ。ひとつが、「環境が整っていない」ことだ。拉致問題にも解決の糸口が全く見えない上に、米朝関係も改善の兆しが見えない。さらに、北朝鮮が韓国の李明博大統領を「逆徒」と罵るなど、南北関係も最悪だ。

   二つ目が、「北朝鮮がレームダック化した政権を相手にする必要はない」という点だ。例えば福田政権当時の08年に結んだ日朝合意では、北朝鮮側が拉致被害者について再調査する一方、日本側は人的往来の規制を解除することになっている。ところが、首相が頻繁に交代したことが原因で合意内容が履行されていないとして、北朝鮮側は非難を続けている。このような状況からしても、一度は退陣を示唆した首相との会談は現実的ではないとの見方だ。

   三つ目は、そもそも菅首相は北朝鮮とのパイプがない、という点だ。その上、民主党政権になっても対北朝鮮政策に変化がないことも、会談の可能性を低くしていると言えそうだ。

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