欧州リーグ、サッカービジネスは「ケタ違い」
スポーツジャーナリストの木崎伸也氏は、Jリーグとプロ野球を比較した場合に、試合数の違いが年俸に与える影響を指摘する。J1では、リーグ戦や「天皇杯」のようなカップ戦を合わせても年間50試合程度だが、プロ野球は公式戦だけで144試合もある。観客からの入場料収入や、球場で販売されるグッズの売り上げなどで差が出るのも当然だろう。
欧州のトップリーグと比べてもJリーグの年俸は低い。木崎氏によると「ドイツの場合、ユース上がりの控え選手でも、年俸は数千万というのは珍しくありません」。これはJリーガーの主力、場合によっては代表クラスと同程度の収入規模にあたる。
日欧のリーグで大きく異なるのは、テレビ放映権収入だ。Jリーグの場合は機構から各球団に均等配分され、その金額は約2億円ほどだという。これに対して欧州の人気リーグとなれば、数千億円規模に達する。人気があるチームは放映権料も高くなり、テレビでの露出が増えて多くの視聴者獲得につながればユニホームに広告を入れるスポンサーもついてくる。木崎氏は、ドイツ・ブンデスリーガの有力チーム、バイエルン・ミュンヘンを例に挙げ、「ユニホームの胸のあたりにスポンサー名を入れる広告料は20億円ほど」だと話した。日本でも同様のケースはあるが、金額は「億に届いていないのではないでしょうか」。
放映権料による収入は、プロ野球でも大きな比重を占める。米国のアメリカンフットボールなど人気スポーツが選手に高額年俸を提示できるのも、放映権料の存在が大きい。
市場規模や収益構造の差が、プレーヤーの年俸にはねかえってきていると言えそうだ。