「革命的オリーブ少女主義者同盟演説」という奇抜なタイトルの記事を皮切りに、ファッション、料理、思想など多方面にわたって豊富な知識とユーモアを詰め込んだ記事を更新中のブロガー「安全ちゃん」が注目を集めている。
「安全ちゃん」は、「世界人類の平和を祈る活動をしようという意味と、自分自身が炎上の憂き目にあわないよう安全な発言を心掛けようという自戒の意味」を込めたハンドルネームで2008年2月、ブログ「安全ちゃんオルグ日記」をスタートさせた20代の女性だ。
「衝撃的すぐる。」とブックマーク500以上も
ブログの更新は年に数本程度と少ないながらも、1本1本の記事はどれも長文で、読者から500以上のブックマークが付くことも珍しくない。
「革命的~」記事中の動画では、安全ちゃん本人と思われる可憐な女性がヘルメットをかぶり、フランスパンを片手に持って「全共闘」さながらに、全世界の「オリーブ少女」たちへ向けて「団結」を呼びかける姿が映し出される(現在は非公開)。そうかと思えば、安全ちゃんが石原慎太郎氏のお面をかぶり、「都知事から幽体離脱したピュアな魂であるといわれている石原慎太郎(白)氏」として義援金を送る様子を記したり、ジャガイモと牛肉の煮込みを毛沢東とフルシチョフのエピソードを交えて「共産主義的煮込み」と題して紹介したりと、意外性にあふれるテーマを細やかな考察とセンスあふれるボキャブラリーで綴る。読者からは「衝撃すぐる。引き出し多すぎ。」と感心する声も多くあがり、更新を待ち望んでいるファンも少なくないようだ。
よしもとばななさんもツイッターで評価
現在は、Webマガジン「daily vitamins」やファッション誌「GINZA」でもコラムを連載中。特に料理のコラムには定評があり、小説家のよしもとばななさんも「安全ちゃんの焼肉の原稿、最高・・・」とツイッターでつぶやいている。
「安全ちゃん」は一体どんな人物なのか。J-CASTニュースの取材に応じた彼女は、幼い頃は「医学系の研究者」の夢をもち、中学卒業までは関東の田舎で育った普通の女の子だと話した。今までに特筆するような文章経験はないが、中学生の頃は近所の本屋に通い詰めて月に40~50冊にもおよぶ雑誌を読み、ティーン誌から高齢向け、専門誌に至るまで手を伸ばしていたという。
現実の知り合いには基本的にネット上での活動を教えていないそうで、「教えたらたぶんドン引きです・・・・・・」と苦笑気味にコメントした。なお、現在注目していることは「アフガン情勢」、挑戦して見たいことは「従軍記者」と、「安全ちゃん」イメージにふさわしい回答が返ってきたが、もう1つ「パンダの飼育係」をやってみたいという答えには「普通の女の子」としての一面も垣間見えた。