サッカーの女子ワールドカップ(W杯)ドイツ大会の日本代表チーム「なでしこジャパン」の初の決勝進出で、窮地に追い込まれたのが、2010年のW杯南アフリカ大会で有名になった予想ダコ「パウル君」後継の「パウル2世」だ。
日本の決勝進出を予想できなかったパウル2世は、国内8匹で争う「予想レース」での勝利が難しくなった上、パウル2世との契約に前向きだった国内のマネジメント事務所も、その意欲をなくしてしまった。
5試合中4試合の予想を的中させたタコも
ドイツのオーバーハウゼンの水族館「シー・ライフ」で飼育されていた初代パウル君は、W杯南アフリカ大会全8試合の結果を的中させ、世界中から注目を集めた。初代は10年10月に死んだものの、オーバーハウゼンのシー・ライフは2011年になって2代目のパウル君の飼育を開始。シー・ライフがドイツ国内8か所で経営している水族館で飼育しているマダコどうしで「予想レース」を行うことになった。このレースで優勝すると、正式に初代パウル君の後継者として認めらレルのだが、パウル2世は苦戦を強いられている。
パウル2世が予想を外した準決勝で、正しく日本勝利を予想したのは4匹。その結果、予想した5試合中4試合の予想を的中させたベルリンの「オフィラ」が4ポイントを獲得。2位はパウル2世を含む5匹が2ポイントで、オフィラの独走状態だ。残る試合は3位決定戦(日本時間7月17日未明)と決勝戦(同7月18日未明)のみで、オフィラが1試合でも的中すると、パウル2世の敗退が確定する。
「今日はタコ焼き食べます」
この状況に、日本国内からも失望の声があがっている。マネジメント事務所の「サニーサイドアップ」は、初代パウル君の頃から大きな関心を寄せており、およそ1年前の10年7月13日、
「その世界的な話題性、注目度に、高い肖像的価値を見出しております」
と、オーバーハウゼンのシー・ライフにコンタクトしたことをプレスリリースで発表している。パウル2世についても興味津々で、次原悦子社長は、試合前の7月13日朝には、ツイッターで
「タコのパウロ二世、スェーデン戦も的中させたら、エージェント契約しにドイツにスタッフ飛ばそうっと。パウロ君の時には叶わなかったけど動物愛護的に問題なければ日本に招聘して被災地の水族館に住んでもらうのはどうかな?ところで準決勝もタコ占いはやるの?」
と期待を寄せた。だが、日本が準決勝で勝利した直後の7月14日朝には一転、
「なでしこJAPANの負けを予想したパウル二世。たこ占いは二度と信じない。今日はタコ焼き食べます」
と、急に関心を失ってしまった様子だ。