検索エンジンのグーグルで、ツイッターの投稿内容を検索できる「リアルタイム検索」が停止した。地震や電車の遅延などの速報を得る際に利用度の高いサービスだっただけに、今回の措置を残念がる声は多い。
同様のリアルタイム検索を提供している検索エンジンもほかにあるが、グーグルの代わりになるサービスはどれだろうか。
ヤフーやMSNでの過去検索は期間限定
グーグルの「リアルタイム検索」は米国時間2011年7月4日からストップしている。ツイッターとの契約終了が理由で、日本国内でもグーグル上でツイッターの投稿内容の閲覧が不可能になった。利用者は多かったようで、停止から10日ほどたった今も「使えなくなったのは痛い」「不便だ」との嘆きが、ツイッター上で後を絶たない。
ツイッターのウェブサイトを開き、キーワード検索をすれば同様の結果は得られる。だがグーグルの方が検索ワードに対する表示内容の精度が高いとの指摘がある。検索結果が過去1週間分に制限されているのも難点だ。
実はグーグル以外にも、国内でリアルタイム検索を提供している検索エンジンは複数存在する。代表的なのはヤフーだ。11年6月14日にサービスを開始した。ヤフーの場合は時系列、あるいはヤフー独自の基準を使って重要と判断した検索結果を上から出していく「適合度順」のふたつの表示パターンがある。だが、過去24時間までしか結果を見られないのはグーグルと比べて貧弱だ。そのためか、ヤフーのリアルタイム検索についてはいまひとつ使い勝手が悪いという意見もある。
マイクロソフトのポータルサイト「MSN」に搭載されている検索エンジン「Bingソーシャル」でも、ツイッターの情報を検索できるが、ツイッターのウェブサイトと同じく、さかのぼれるのは1週間前までだ。「ネイバー(NAVER)」のリアルタイム検索に至っては、文字通りその時間にツイッター上に投稿されている内容しか見られず、過去の投稿はどんどん流れ去ってしまう。
いずれも閲覧できる情報量の点でグーグルのサービスより限定されることが、グーグルのサービス停止を惜しむ人が今も多い原因かもしれない。
過去のあらゆる投稿結果が見られるトプシー
グーグルのサービスに匹敵するのではと、ネットで注目を浴びているのが「トプシー(TOPSY)」だ。米サンフランシスコで2006年に設立したITベンチャーで、一般的な検索エンジンとは違い、ツイッター上でユーザーたちが書き込むさまざまな話題がベースとなって検索結果が出てくる仕組みだ。09年からウェブサービスを開始し、今では日本語にも対応している。リアルタイム検索では、2010年8月に始めたグーグルに比べてスタート時期はトプシーの方が早い。
主要ポータルサイトが提供するリアルタイム検索と決定的に違うのは、キーワードに対して過去の全投稿結果が見つけられる点だ。表示方法も、最新の結果から過去1時間、1日、7日、30日、過去すべて、と時間ごとに分けて選べる。ワードによっては、すべての結果を見ようとすると膨大な数になる。例えば「レディー・ガガ」と検索すると、「過去すべて」の数は18万6000件に達した。今のところ日付を指定しての検索はできないため、利用者側が検索ワードを増やしたり絞りこんだりして対応するしかない。過去情報の生かし方は、今後の課題かもしれない。
国内での知名度はヤフーなどに比べるとまだ及ばないトプシーだが、ツイッターを基にした検索エンジンという独自性を生かして「グーグルの代わり」との認知が広まれば、利用者も増えそうだ。