「政権批判」官僚の肩たたき にじみ出た菅政権の体質/塩崎恭久・元官房長官に聞く

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公務員制度改革と民主政権の変節

――古賀さんは、天下り規制などの公務員制度改革について民主政権を批判し、政権側がそれを不快に感じているという構図です。しかし、そもそも政権交代前の民主党は、古賀さんに近い主張をしていました。

塩崎 鳩山政権発足直後は、古賀さんと一緒に改革に取り組もうとしていたのです。ところが、役所(省庁主流派の守旧派勢力)からの反発を受けて政権は態度を180度変え、役所寄りになってしまった。選挙前は公務員制度改革が「1丁目1番地」のようなことを言っておきながら、あんなに簡単に操を捨てるのか、と。
   民主政権は、自分たちの方が意見を大きく変えておきながら、(以前自分たちが主張していたことに近いことを言い続けている)古賀さんに、「意見が違うから出て行け」と言っているわけです。勧奨退職行為もやめさせる、と以前はいっていたんです。それを自分たちが古賀さんに対してやっている。矛盾だらけというか支離滅裂というか……。

――発足した勉強会は、人事面だけでなく、古賀さんの改革提言内容も検討するのでしょうか。

塩崎 そうです。例えば、現行の原発事故賠償スキームは、誰のためにやるのか分からないような代物です。この点も古賀さんは批判していますが、海江田さんあたりは相当この批判を気にしているようです。
   政策を改善できることはないのか、古賀さんの意見も聞きながら、賠償スキーム以外の問題も含めて検討していくことになるでしょう。「日本中枢の崩壊」を食い止めないといけません。勉強会には民主党の議員も参加しています。

――経産省の役所側への提言はありますか。

塩崎 経産省ファミリーの古賀さんを懐深く抱えていく度量をもった方が、組織として健全な政策立案ができますよ、と言いたいですね。


<塩崎恭久さん プロフィール>

   しおざき やすひさ 1950年生まれ。東京大学教養学部卒業、ハーバード大学行政学大学院修了。日本銀行勤務を経て、1993年に衆院初当選。以降、参院も1期務め、現在衆院5期目(愛媛1区)。2006年、安倍晋三内閣で官房長官に就任。最近では、自民党改革委員会の委員長を務める。

   著書に「日本復活-『壊す改革』から『つくる改革』へ」など。音楽家の坂本龍一さんは高校時代の同級生。


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