東電副社長「夏場乗り切るメドつきつつある」
こうした状況を踏まえ、マスコミ報道にも楽観的な見通しが登場するようになった。日本経済新聞の7月12日付け朝刊によると、東京電力の藤本孝副社長は同紙のインタビューに対して、「同じ気温でみた場合に10~15%程度電力使用量が減り、夏場は乗り切れるメドがつきつつある」と語った。
東電は7月末の供給力を5680万キロワット、8月末の供給力を5560万キロワットと見込んでいる。
東電管内の使用制限令は9月22日まで。大口需要家の節電強制が続くため、7月末~8月末も継続した節電が期待できる。2010年の最大電力実績は7月23日の5999万キロワット。仮に15%の電力削減ができたとすれば、5099万キロワットとなり、供給余力は約10%確保できる。
東電は7月16日以降の予想需要について、現在は5500万キロワットに据え置いているが、藤本副社長は日経に対し、「節電が着実に実施されれば、需要の見通しを見直す」としており、今後の下方修正も考えられる。
もっとも日経の報道について東電は、「藤本副社長の発言については確認していない。電力の需給は依然厳しく、皆様のご協力をお願いしている状況」と話している。