政府がわが身を削ろうとしないのが問題と指摘
「朝日」は1日社説では民主党が初めて増税を認め、10%と明記したことを「半歩前身」と評価しつつ、閣議決定しなかったことへの批判を中心に論じた。10日になって、再び社説で「増税をできるだけ先送りしたいという『熱意』こそ目立ったが、社会保障改革についての議論はまだ十分とはいえない」と、各紙社説の中では一番詳しく社会保障改革の中身を論じ、国民の安心には力不足だとした。
異彩を放ったのが「東京」。2日社説で「行政改革はどうした」と題して、増税をいつまでも決められないのは、政府はわが身を削ろうとしないことを国民が「気がついているからだ」と断じ、公務員の人件費2割削減の公約などの実行が増税の前提、との論を展開している。
総じて、今回の一体改革案の報道は、消費税が最大に焦点とされる中、例えば年金制度でも、民主党の金看板である「税を財源とした最低保障年金」は棚上げされるなど、腰をすえた論議にはほど遠かった。最終盤の民主党内の議論で、経済状況によって税率引き上げを回避できる文言が押し込まれたが、これは過去10年以上、増税を先送りするための理屈として使い古された代物だ。