得意のパスサッカーを徹底すれば勝機
例えば、対戦チームが、ロングボールを蹴ってきたときだ。後藤健生さんはこう言う。
「それでゴール前まで走らされれば、身体能力の高い欧米選手に対抗できなくなります。ゴール前でセンタリングを上げられたり、ロングシュートを打ってきたりするときも同様です。イングランド戦で日本が負けたのは、弱点が狙われたからですよ」
ドイツ戦で日本が勝ったのは、ドイツがチャンピオンの誇りで正攻法のつなぐサッカーをしてきたからではないかという。
また、後藤さんは、ゴールキーパーも弱点になりうるとする。
「身長が低いですし、瞬発力にも不安があります。たとえ予測したとしても届かないので、なんでもないシュートでも、ゴール隅なら入れられてしまうでしょう」
とはいえ、戦術・技術的な日本の女子サッカーでも、得意のパスサッカーを徹底すれば勝機があると指摘する。
「ゴールキーパーが丹念に攻撃をはね返し、ボールを取ったらパスを徹底する。それしか方法がないでしょう。ですから、ゴール前でミスしない、ロングボールを蹴らさないようプレッシャーを与える、などが大事です。少しでもボールを持っている時間を長くし、いかに集中力を持続させるかですね」
準決勝のスウェーデン戦では、日本の弱点が再び狙われる可能性は高い。そんな中で、日本が勝ち抜く可能性について、後藤さんは、「スウェーデン戦は、五分五分の戦いになるのでは。それに勝って、さらに日本が優勝するのは、かなり難しいですが、不可能ではないと思います」と話している。