大規模太陽光発電所(メガソーラー)の建設機運が高まる中で、「メガソーラーはぜひ当地に」と、誘致をめぐって全国の自治体が動き出した。北海道苫小牧市はメガソーラーの誘致に、岩倉博文市長が2011年7月8日に東京・港区のソフトバンクを訪ねた。
メガソーラーの建設には広い土地が必要だ。日照時間が年間を通じて安定的に確保することも「条件」とされる。その用地をめぐり、誘致合戦が早くも熱を帯びてきたようだ。
北海道だけで18の自治体が名乗り
新たに自然エネルギー発電事業に参入したソフトバンクは、500メガワット(50万キロワット)、敷地面積約1000ヘクタールのメガソーラーを、全国10か所に建設する計画。5月に神奈川県や埼玉県、静岡県など19の自治体と旗揚げした「自然エネルギー協議会」の参加自治体は、7月5日現在で36道府県(関西広域連合を含む)に膨らんだ。
「自然エネルギー協議会」に参加する北海道が6月に、道内の市町村に対してメガソーラー事業への参加を呼びかけたところ、道内だけでも、札幌市や帯広市など17の自治体が手をあげた。また苫小牧市は、別途ソフトバンクと交渉にあたっている。
6月下旬には札幌市の上田文雄市長が孫社長に面会し直談判したとされる。札幌市は「サッポロさとらんど」の約5ヘクタールの土地を建設用地として選定を検討している。
一方、もともとソフトバンクが苫東地域を候補地にあげていた北海道苫小牧市は、「5月にソフトバンクの関係者が現地を視察に訪れた」という。「苫東地域は広大で平坦な土地で、日射量も道内では高い水準」と力が入る。
岩倉市長が上京し、孫社長に直接要請したい考えだ。