東電債は被災者の補償金よりも優先される可能性も
河野太郎氏は「(議員会館を回るような)そんな回りくどい手法を使う必要は全くない。堂々と最初から破たん処理させるべき」と主張する。
一方、「綱渡り」の東電の資金繰りを、いま支えているのは日本政策投資銀行と大手銀行だ。しかし、それも今後「債権放棄」の可能性が高まれば、さすがに貸せなくなるだろう。
震災直後の、3月末の「2兆円融資」にしても、破たんしたら放棄せざるを得ないはずだ。当時、東電株は急落。「緊急事態」を理由に融資したとしても、何の担保があるわけではない。東電が破たんすれば、資金が回収できないばかりか、自らの株主から代表訴訟を起こされかねない。
さらには東電債も紙くず同然になる。ただ、東電債は電気事業法37条の規定で優先債権になっていて、一般債権よりも優先されるので、わずかだが戻ってくる可能性がないわけではない。
政府は今のところ「破たん処理は考えていない」としているが、投資家の不安は増している