「原発被災県」福島で、佐藤雄平知事の「脱原発宣言」は市町村長にどう受け止められているのか。福島民報は7月8日の紙面で、県内市町村長の考え方を紹介した。原発への見方は厳しいものだった。
佐藤知事は6月県議会で、原発と「共生」するとしてきた県の立場から「脱原発」にカジを切って復興計画を策定する方針を表明した。これを受けて、アンケートは福島県内の13市、31町、15村の首長を対象に行われた。
それのよると、59人のうち53人までが、原発事故の被害が甚大であることなどを理由に、知事の判断を「評価する」と回答した。一方、冷温停止中の県内6基のプラントについては、「廃炉にすべきだ」という意見と「当面、停止しておく」という考えに分かれた、という。
町内全域が緊急時避難準備区域に指定されている山田基星・広野町長は「原発事故の現状を見れば、やむを得ない」という立場。伊藤勝・西会津町長は「原発事故の放射能汚染は今世紀最大の汚点。電力を原発に頼りすぎた結果であり、新たなエネルギーに移行すべきだ」と手厳しい。
伊達市・仁志田昇司、玉川村・石森春男、楢葉町・草野孝、大熊町・渡辺利綱、飯舘村・菅野典雄の各氏は「どちらとも言えない」と回答した。原正夫・郡山市長は回答を避けた。