新華社通信は「単なる噂」と否定報道
だが、国営新華社通信は7日昼、信頼できる情報源からの情報だとして死亡説は「単なる噂」と報道。これを受けて、香港ATVも訂正を出した。これを受けてか産経新聞もトーンダウンした模様で、同日夕方の夕刊フジ(東京C版)では、「死亡」とは書いているものの、1面ではなく4面に背景の解説を加えた扱い。明らかにトーンダウンしている。
北京の状況はどうなのか。
「7月6日に301病院の前を通ったが、特段変わった様子はなかった」
と話し、「死亡説」に懐疑的なのは、北京在住ジャーナリストの陳言さんだ。陳言さんは、1997年にトウ小平氏の死去を特報した加藤千洋・朝日新聞中国総局長(当時)のケースを引き合いに、
「加藤氏は、トウ氏が死去した301病院の前に張り付いて、病院に入っていく車のナンバーから党幹部の出入りを確認している。その上で、『死亡』と打った。それに対して、今回の『死亡説』の根拠は噂の域を出ないものばかりで、なにひとつ確認されたものがない」
と、取材の甘さを指摘している。
ただし、死去が確認されていないにしても、各メディアでは「容態は深刻」との見方が大勢だ。訃報を事実上「公式発表」するはずの新華社通信が報じる前に、こうした死亡説が多数流れる背景には、「中央政府が国内メディアに対して訃報の準備をするように指示したものの、『解禁』前に情報がもれたか、フライングによるのでは」という、うがった見方もある。