内閣不信任決議案が再提出される?
「新しい体制」をめぐる憶測は、内閣改造だけではない。衆院解散・総選挙のうわさが浮かんでは消え、消えては浮かんでいる。7月7日付の日経新聞朝刊でも、関連記事の中見出しで「解散への布石か」とうたっている。菅首相が「脱原発解散」に打って出て、その後、「新首相」としての菅氏のもと、「新しい体制」が築かれる可能性も考えられる。
菅首相のやる気に引きずられる形で、「8月中に退陣」説も先行き不透明になってきた。このままでは菅首相のペースになってしまうという懸念からか、自民党からは「掟破り」の内閣不信任決議案の再提出を示唆する声も出てきた。さらには、民主党の渡部恒三・最高顧問が「(再提出されれば)賛成する」と発言するなど相乗りムードも漂い始めた。
通常は「一事不再議」の慣例から、同じ決議案の再提出は認められない。しかし、あくまで慣例なので、法的には問題ないという議論が背景にある。ほかにも提出理由を前回の決議案とは変えることで、「別の決議案だ」という理屈付けが可能だと指摘する声もある。
いずれにせよ菅首相は、「満身創痍、刀折れ、矢尽きるまで、力の及ぶ限りやるべきことをやっていきたい」(7月6日、衆院予算委)と述べている。原発ストレステストという新しい「矢」を繰り出してきた菅首相は、まだまだ二の矢三の矢を用意しているのかもしれない。