高橋洋一の民主党ウォッチ
改革派官僚「肩たたき」にみる 民主党の裏切りと天下り復権

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古賀茂明氏を応援する超党派議連も

   一方、民主党内では逆に公務員改革の動きが活発化していった。そのため、古賀さんも私も民主党に期待していた。

   2009年9月に政権交代すると、今度は民主党が急に公務員改革から逆行しはじめる。古賀さんは当初必死に支えていたが、09年12月に国家公務員制度改革推進本部事務局審議官を解任され、経産省官房付になった。それ以降、雑誌などで政府の公務員制度改革案を批判するようになった。官房付というのは本来、地方などへの人事異動時の一時的な待機ポストであり、1年半以上も留め置かれることはない。明らかな懲罰人事だ。

   民主党による逆行では特に、2010年6月の現役出向の枠を拡大して、それまで「裏下り」とかいわれていたものを、正式な制度としてしまい、「天下り」ではないと位置づけたことは酷かった。ここまで官僚のいいなりになると、天下り全廃をとなえて政権交代したのは何だったのか。

   古賀さんは、最近では東電の賠償スキームを批判している。これもまっとうな話だ。あのスキームでは、諸外国で行われている電力自由化(発送電分離)は当分行えないから、電力料金値上げという結果になる。

   松永和夫・経産事務次官は、電力自由化をいかに遅らせるかに腐心し、今回の福島原発事故の原因になった甘めの津波基準の作成責任者だった。そういう人から、正しい公務員改革や電力自由化を主張している古賀さんが肩たたきを受けるのはあまりに理不尽だ。

   7月5日には古賀さんを応援する超党派の議連もできている。ここは、古賀さんに頑張ってもらって辞めないで、政府内からどんどんと情報発信してもらいたいものだ。そんな官僚が今求められている。


++ 高橋洋一プロフィール
高橋洋一(たかはし よういち) 元内閣参事官、現「政策工房」会長
1955年生まれ。80年に大蔵省に入省、2006年からは内閣参事官も務めた。07年、いわゆる「埋蔵金」を指摘し注目された。08年に退官。10年から嘉悦大学教授。著書に「さらば財務省!」、「日本は財政危機ではない!」、「恐慌は日本の大チャンス」(いずれも講談社)など。


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