フェイスブック利用してクーポン ホットペッパー新方式が波紋

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クーポンの発行数を増やしたいわけではない

   そもそも、なぜホットペッパーはFBでもクーポン配信を始めたのか。リクルート広報では「加盟店の販促支援」だとして、次のように説明した。「ソーシャルメディアを利用して集客を図るうえで、店によってITリテラシーはまちまちです。ホットペッパー側でサポートして、各店の集客の間口を広げるねらいがありました」。ホットペッパー以外の媒体も利用して、加盟店が消費者の目に触れる機会を増やしたということのようだ。

   DMを送った加盟店のなかで、FBでのクーポン提供を断ったのは350件で、当初保留が3000店。大半は「とりあえずやってみよう」という回答だった。様子を見ていた3000店の中からも、後から1500店が参加に回った。一方、「知らなかった」という連絡が入ったのは、「豚組しゃぶ庵」だけだったという。

   だが「販促支援」という名目だけでは、ホットペッパー側にはあまりメリットがなさそうだ。「豚組しゃぶ庵」の中村氏も当初、クーポンの発行数を増やしてホットペッパーの集客実績につなげるのではないか、と考えており、事情説明に訪れたリクルートの担当者に質問をぶつけた様子を7月4日付のブログにつづった。担当者は「発行数を増やすためという動機はありません」と明確に打ち消した。短期的なマネタイズも考えておらず、「飲食店のITリテラシーを高めたり、ネット集客を普及させていきたいという一点だけ」と強調していた。

   しかし一部では、今回の動きを「広告費」に絡める見方も出ている。飲食店が独自にFBでクーポンを配信する場合は無料だ。一方ホットペッパーに広告を出せば、料金が発生する。ある広告代理店の料金表を見ると、例えば「銀座・上野版」のホットペッパー冊子版に4分の1ページサイズの広告を掲載すると、料金は15万円となっている。無料の「FBクーポン」の利用が拡大すれば、ホットペッパーには脅威だろう。そこで店側に「先手」を打つ形で、ホットペッパーへ広告を出せばFBのクーポンまでも面倒を見る、としたのだろうか。リクルート広報に聞くと、「冊子版の広告が減っていることが理由ではありません」と否定。あくまでもFBクーポンは、加盟店のために、ソーシャルメディアを使った集客サービスをホットペッパー側で用意した、と繰り返した。

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