基準が変更される可能性も
だが、加藤審議官は、調査の位置づけについて、
「精密に被曝線量を評価する必要があるかどうか、まずはそこを見るためのスクリーニング」
と強調。さらに、調査方法についても
「この方法では線量をきちっと見るには精度が非常に粗いということで、実際にかかわった専門家や安全委員からも、線量に換算することは適切ではないというコメントをいただいている」
と述べた。その上で、
「0.2マイクロシーベルトを超えたお子さんはいなかったので、放医研(放射線医学総合研究所)での精密な甲状腺被ばく線量の測定の必要がある方はいなかった」
と、精密検査を行う必要はなかったと説明した。
これに対して、NHKの記者が
「ただ、(毎時)0.2(マイクロシーベルト)というのは概算すれば(年)100ミリシーベルト。それが妥当かどうかについても色々意見がある。IAEA等でも50ミリに変更すべきだと検討しているという話も聞いている」
と疑問を投げかけると、加藤審議官は、
「このスクリーニングをやった時点では、先ほど説明したような判断だった。一方、防災指針はこれから見直しに入る。その中では、すでに今年の初めぐらいの段階からIAEAの関連の基準との整合性も見ていくという大方針も掲げていたので、そういう中で、ご指摘があった点も当然みていくことになると思う」
と、今後基準が変更される可能性もあるとの見方を示した。