東北の百貨店の売り場が活況を呈している。復興需要に加えて夏物商戦が重なり、6月、7月の売り上げは前年を大きく上回る見通しだ。
河北新報によると、仙台の百貨店では、震災見舞いの返礼用に地元の特産品が中元ギフトとして人気を集めている。節電関連商品も好調だという。
6月8日に中元ギフトの特設コーナーを設置した「さくら野百貨店」仙台店の場合、ギフト関連の売上高は29日までで前年同期比17%増。6月下旬にコーナーを開設した仙台三越、藤崎も「初日から例年を大きく上回る売れ行き」。いずれも牛タンや笹かまぼこなど宮城県産の商品が売れ筋だという。他県も同様で、盛岡市のカワトクでは「16の県産品の中から3品を選ぶ4800円の詰め合わせが、例年以上に出ている」。
地元産品ギフトの好調ぶりについて各店は「発送先に被災地の頑張りを伝えたい、商品購入を通じて地域経済の復興にも役立ちたい、という思いだろう」と見ている。
東北百貨店協会によると、東北の百貨店売上高(12社、23店)は震災に見舞われた3月には前年比43.7%に落ち込んだ。ゴールデンウィーク明けごろから急回復の兆しが見え、5月は前年比6.2%増とプラスに転じた。6月の統計はまだだが、前年比2ケタ増の伸びが予想され、7月も好調に推移しそうだ。