暑い夏に合う食べ物として知られるカレー。それに合う飲み物といえば、「水」。そんな、当たり前と思われていた答えが覆されるアンケート調査が行われた。
カレーの辛さをやわらげるため、ゴクゴクと飲めて、しかしその味わいや風味を邪魔しないためには、無糖系飲料がいいのだろうが、どうもそれだけではないらしい。
意識調査では74%が「水」と答えた
カレー総合研究所が20~40台の男女600人を対象に行った意識調査によると、74.7%が「水」と答えた。2位が「ウーロン茶」で64%、3位が「麦茶」が54.7%だった。4位が33.3%で「緑茶」、5位には「その他のお茶」(25.7%)が続いた。
この結果、日本におけるカレーの定番ドリンクは「水」のイメージが強いようだ。カレー総合研究所の井上岳久所長は、「カレーには次のひと口を誘うために、口の中をサッパリさせる飲み物が合うと考えています。というのも、日本の家庭でつくられるカレーは、ルゥーが濃厚なため、飲むごとに口の中の辛さや脂分を洗い流して、リセットする役割が重要なのです」と語る。
このリセット機能が弱いと、カレーを食べているうちに「味にあきてしまう」こともある。
一方、インド風カレーのお店などで供される「ラッシー」(21.7%、6位)や「チャイ」(11.7%、9位)といったカレーの定番ドリンクは甘みが強く、はっきりとした味わいが特徴。「インド人の味覚傾向に合うのでしょう」と、井上所長はみている。
ただ、最近は日本人にもデザートドリンクとして飲まれていて、ベスト10入りするほど定着してきたことがうかがえる。
東京都内のインド料理店によると、「甘さが日本人に合うのか、ラッシーは日本人でも飲まれる方が増えています。インドの方はチャイですね。塩味の濃いものがあるのですが、それが好まれています」と話す。
口の中を「リセット」するウーロン茶の効用
「カレーに最適な飲み物」を探るため、カレー総合研究所ではさらに実食調査を実施。意識調査1位の「水」と2位の「ウーロン茶」とを、20~40代の男女84人に、カレーと飲み物を規定量ずつ食べながら飲むことをくり返し、どちらがカレーに合うか検証した。
その結果、「カレーの脂っぽさが消え、ウーロン茶自体もおいしく感じた」(20代男性)や、「ウーロン茶は、カレーの後味を消してくれてサッパリする」(20代女性)、「カレーをよりおいしく感じさせるのはウーロン茶だった。口に残る辛さをリセットし、さらに次のひと口を食べさせる効果が感じられた」(30代男性)といった声があがり、カレーに合う飲み物として60%の人が「ウーロン茶」を選び、40%が「水」を選んだ。
カレー総合研究所の井上岳久所長は、日本のカレーに合う飲み物の条件として、「口の中をサッパリさせる働きがあること」と「日本人が飲みなれていて、親しまれていること」の2つを指摘。「長年、カレーにはウーロン茶が合うと思ってきましたが、それが今回の実食調査で証明されました」と話す。