内閣府は、震災の影響には否定的?
自殺報道については、マスコミ各社も、内容は明らかにしていないものの、何らかの内規を定めているようだ。しかし、清水康之さんはさらに、政府がマスコミにガイドライン策定を呼びかけるように提言している。
とはいえ、自殺報道の影響の可能性ばかりを強調することについては、ネット上で異論が相次いでいる。
2ちゃんねるでは、「前年比って今年は震災あったから増えるのは当然」「政府の対応の悪さだろ」「責任転嫁も甚だしい」「なんでも結び付けるな」といった意見が噴出しているようだ。
たとえ、自殺報道が引き金になったとしても、震災でうつ状態になっていたことが主要な原因ということはないのか。
データを分析している内閣府の経済社会研究所によると、例年だと年度末の決算期に当たる3月に自殺者のピークがある。ところが、2011年4月は、前月より1割増えて、前年同月比も4.2%増になった。さらに、5月は、その2割以上増えて、福島県内では、自殺者が前年同月より4割も増えている。
しかし、経済社会研究所では、4、5月とも大都市圏で主に自殺が増えており、被災地での自殺が全体の増加を説明するほど増えているわけではないと言っている。