財団側「一部、不適切表現も」
対「大衆」という点では、こんな表現が続く。
「女性(主婦)層には、信頼ある学者や文化人等が連呼方式で訴える方式をとる」「新聞記事も、読者は三日すれば忘れる」「主婦の場合、自分の周りに原発がなければ、原発を他人事としか受け取っていない」――
日本原子力文化振興財団にきいてみると、確かにこうした報告書を1991年にまとめているという。単発の報告書で、91年以降の改訂版はない。広報戦略を立てること自体は「どこでもやっていること」とし、問題ないとの考えを示した。
しかし、「上から目線」と受け取られる表現が少なくないことについては、「20年前のものとはいえ、一部の表現については、不適切なものがある。反省しなければならない」と答えた。
もっとも、報告書には、なかなか説得力のある専門家批判も書かれている。
「医者の放射線の知識は極めてプアだときく。しかし、専門家意識だけは持っている」 「日本の専門家(の言うこと)は難しすぎる。本人がよくわかっていないからではないか。それならもっと勉強すべきだ」