認知症予防のために17年続けている男性も
朝日新聞社では2010年に教育事業センターを発足し、その業務上で教育関係者から天声人語の書き写しを実践している人が多いことをよく耳にしたという。
5月22日付の朝日新聞朝刊には、認知症予防のため日課として「天声人語」を17年間書き写し続けているという77歳男性の投書が掲載された。この人のノートはすでに93冊目という。
また別の日にも、「2年前に他界した妻が生前、10年以上にわたって天声人語を大学ノートに書き写していた。全部でノートは27冊にもなる。妻は毎晩、就寝前の30分で書き写していた。日記の文章が無駄なく上手になっていくのに驚いた」という投書が寄せられている。
このようにほとんどの人が市販の大学ノートを利用していたこともあり、「専用のノートがあれば喜ばれるのではないか」と今回のノート作成にいたった。
個人のブログを見ても評判は良い。5月5日から毎日筆写を続けているという男性は「正直に言うが、大変である」と感想を書き、頭も指も疲れ、いかに漢字を書けなくなっているかを思い知らされるという。約1か月後には2冊目に突入したことを報告し、「実に清々しい気分になれる」と書いている。
書き写しノートは5月中旬から東急ハンズ池袋店でも機能付ノートなどと並んで販売が開始され、6月中旬からは名古屋店でも販売されている。名古屋店の担当者によれば、発売から10日で60冊、年配者を中心に売れたという。また、朝日新聞によると、今後は全国の東急ハンズでも入手可能になる予定だ。