飲酒運転や自殺者も増加
震災をめぐっては、それ以外にも様々なストレスや感情面での影響が明らかになっている。ひとつが、飲酒運転の急増だ。宮城県警の調べでは、震災後100日間(3月11日~6月18日)に県内で発生した交通事故の件数は、前年同期比19.3%減の2151件と、大幅に減少している。特に死者数は、3分の1にまで減少している。ところが、その中で大幅に増えているのが飲酒運転による事故だ。10年の3月11日~6月18日の事故発生件数は16件だったが、11年には37.5%増の22件。飲酒運転による事故は08年の34件からゆるやかに減少に転じていただけに、かなり顕著な変化だ。宮城県警は、大震災のストレスで飲酒の頻度・量が増えた可能性があるとみている。
自殺統計にも異変が起きている。5月の全国の自殺者数は前年同月比19.6%増の3329人で大幅な増加を見せている。被災3県で見ると、岩手県が同5.7%減の33人、宮城県が同数の50人と大きな変化はないが、福島第1原発を抱える福島県は、同38.8%増の68人だ。
現時点では、これらの数字の変化と震災との因果関係は不明だが、蓮舫行政刷新担当相(当時)は、暫定値とはいえ18%増が判明した6月10日の会見で、
「ちょっと看過できない。これは早急な分析を行ってもらいたいという指示を出している」
と、急激な伸びに驚きを隠さなかった。