震災で日本人に感情変化 「ひやひや」「やばい」「しみじみ」増える

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   東日本大震災の前と後で、日本人の感情に大きな変化が現れていることが、全国6000人を対象にした調査が明らかになった、「次にあげる感情をどの程度感じたか」という設問では、全国的にネガティブな感情を表す言葉を選択する人が増加した。

   特に、被災した東北地方では、この傾向が顕著だ。ただし、「じーん」「しみじみ」といった感情を持った人も大幅に増えており、応援メッセージやボランティア活動などで心動かされた人も多いようだ。それ以外にも、震災にともなう心理的影響は、様々な場面で現れている様子だ。

東北地方で大きな振れ幅

   調査は、博報堂生活総合研究所が2010年5月と11年5月に、20歳から59歳までの6000人を対象にネット上で行い、両年の回答の変化を比べたもの。調査では、「やったー」「るんるん」といった「快感情」の選択肢を10点、同様に「やばい」「あやふた」といった「不快感情」の選択肢を10点示した上で、

「これまでの3か月間、日常生活において、あなたは次にあげる感情をどの程度感じましたか」

と聞いた。その結果、全国的に「快感情」を感じた人が減少し、「不快感情」を感じた人が急増している。震災が、国民が持つ感情に暗い影を落としていることが改めて浮き彫りになった形だ。

   全国的に見ると、その増減幅は数ポイントにとどまっているものの、東北では特に振れ幅が大きい。例えば不快感情では、「ひやひや」が16.0ポイント増、「やばい」が14.2ポイント増、「くよくよ」が13.9ポイント増。快感情は軒並み減少しており、「るんるん」が15.3ポイント減、「うきうき」が16.5ポイント減といった具合だ。その中でも、上昇した数少ない快感情が「じーん」「しみじみ」だ。「じーん」は全体では15.3ポイント、東北では26.1ポイント増加。「しみじみ」は、全体では8.6ポイント、東北では16.7ポイント増加している。やはり、東北の方が全国平均よりも振れ幅が大きい。

   調査を行った博報堂生活総合研究所では、「じーん」という感情を持つ機会が増えた背景は「被災地のボランティア活動や応援メッセージ、みんなの助け合い」にあるとみている。さらに、

「震災や節電などのつらく、苦しい出来事に遭遇した反動で、今の暮らしや状況に対して『しみじみ』と感じる生活者が全国的に増えたようだ」

とも分析している。

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