米麹は使わず「芋麹」を使う
ところで、全量芋焼酎は米を一切使っていない。米麹を使わず、「芋麹」を使って醸造する手法で、前出の山田氏は、
「発酵や仕込みの技術が進み、芋焼酎にあった独特の臭みが消えて華やかな香りの、すっきりとした味わいに仕上げることが可能になりました。スタイリッシュというか、水割りやロックでもおいしく飲めます」
という。
これまでは芋麹でつくられている芋焼酎があることもあまり知られていなかったが、それは良質な芋麹づくりが難しかったためで、「ほとんど商品化されていなかった」(山田氏)と明かす。
酒文化研究所が酒類に関心の高い男女に聞いたアンケート調査(有効回答数339人)によると、全量芋焼酎を飲んだことがある人は23.5%、認知度は54.7%だった。山田氏は
「純米酒のように、シンプルでピュアな商品は消費者にわかりやすく支持される傾向にあります。原料芋100%にこだわった『全量芋焼酎』も着々とファンを増やしていくのではないでしょうか」
とみている。