実施が確定するのは、実際に停電が行われる2時間前
これから懸念されるのが、気温が上がってクーラーを利用するなどして電力需要の上昇が見込まれる7~8月の見通しだ。5月13日に東電が発表した需給見通しによると、最大供給力は7月末で5520万キロワット、8月末に5620万キロワットにまで伸びるとされている。この数字は、ガスタービンを新設し、さらに、被災していた火力発電所が復旧した分や、揚力発電を活用することを踏まえたものだ。一方の最大需要は、7月末・8月末ともに5500万キロワットだとされている。使用率は7月末が99.6%、8月末が97.8%で、まさに「つなわたり状態」。前出の6月各週の需給見通しでは、結果として最大需要を実績値よりも低く見積もってしまっていたことを考えると、7~8月についても、予想を上回る電力使用量になる可能性も否定できない。そうなると、やはり計画停電の可能性が現実味を帯びてくる。
だが、「いきなり停電になる」ということではない。5月13日の経済産業省の発表によると、仮に需給状況が厳しくなった場合は、遅くとも計画停電を行う前日に、政府が「需給逼迫警報」と題した緊急の節電要請を行うことになっている。一般家庭でも一層の節電に協力しよう、というところがでてきそうだ。
それでも状況が改善されない場合は、当日に改めて政府が警告を出す。だが、実施が確定するのは、実際に停電が行われる2時間前だ。仮に日中に停電することになった場合、事前に対策を取れる人は必ずしも多くなく、「無計画停電」との批判が再び噴き出すことになりそうだ。