取引所外での株売買が台頭 東証と大証の統合促す?

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将来の成長に欠かせないのはデリバティブ取引

   すでに欧米では、個別株の売買の4~5割程度がPTSによるものとされている。こうしたなか、PTS大手の米BATS・グローバル・マーケッツが2011年2月、欧州のチャイエックス・ヨーロッパを買収する契約を結んだと発表。欧州では、両社を合わせた売買代金シェア はロンドン証券取引所を抜いて首位に立つ。

   PTS勢力の台頭もあって、欧米では既存取引所の再編機運が高まっている。ロンドン証取グループが、カナダの証券取引所を運営するTMXグループと11年2月に経営統合に合意したほか、ニューヨーク証券取引所(NYSE)などを運営するNYSEユーロネクストも同月、ドイツ取引所との合併で合意。

   両案件とも「PTSの成長で伝統的な取引所の地位が脅かされたことが引き金の一つ」(国内証券大手)と見られている。PTSに押されて収益性が落ちると見込まれる現物株取引から、デリバティブ(金融派生商品)取引にシフトしようという狙いも背景にある。

   東証と大証の統合協議もPTSの台頭と無縁ではなさそうだ。国内現物株取引の9割以上を握る東証にとっても、デリバティブに強みを持つ大証を取り込むことは、将来の成長に欠かせないからだ。た だ、両取引所の統合協議は今や主導権争いの場と化しており、行方が混沌としているのが実情だ。

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