「日本なら、警察に保護されるだけ」
とはいえ、今後の捜査次第で、警官らへの体液による暴行が認定される可能性があるそうだ。その場合、ロビネット容疑者は、デラウェア州法上、最大で1年の懲役と20万円ほどの罰金になるというから、ピンチは続いているらしい。
母乳を警官に噴射するというケースは、欧米では時々報じられている。
イギリスで、靴を万引きした18歳女性が逮捕した警官に母乳を浴びせたことが2007年4月に報道され、日本でもネット上で話題になった。また、10年3月には、米ケンタッキー州で31歳女性が公共の場所で泥酔して逮捕された後に、拘置所で制服に着替えさせようとした女性警官の顔に母乳を浴びせて暴行罪に問われている。
日本で、警官に母乳を浴びせたら、何かの罪に問われるのだろうか。
板倉宏日大名誉教授(刑法)は、こう言う。
「暴行の可能性はあるかもしれませんが、けがはしないわけですし、問題にならないのではないでしょうか。公務執行妨害とも断言できませんし、公然わいせつなどにもならないはずです。ですから、それだけでは逮捕されることはないと思います。事件にならないでしょうから、日本では聞いたことがありません。母乳を浴びせても、一晩頭を冷やすようにと、警察に保護されるだけだと思いますね」