名古屋の河村改革早くも失速 「身内」の不祥事、ゴタゴタ続き

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河村市長の「協調」路線は本物か

   河村市長と橋下知事の「勢い」の差について、河村市長をよく知るある愛知県政界関係者は、「予想できた結果だ」とみる。河村市長には、減税以外にさしたる政策的アイデアはなく、減税した後どうするのか、のビジョンもあいまいだという。

   河村市長は、選挙は好きだし、実際選挙に強いタイプだ。しかし「当選後が問題だ」と指摘する。議員と違って首長は言い放しは通用しない、ということが「いまひとつ分かっていない」と辛口の論評だ。

   一方、橋下知事については、「彼の意見に賛成反対は別にして、彼は自分で政治的展開の画が描けるし、妥協の仕方もうまい」と分析した。河村市長が妥協ぎらいで「いけいけドンドンなだけ」なのとは対照的だ。

   ブログで度々名古屋市政問題に触れている三重大学(津市)の児玉克哉教授(地域社会学)にきいてみた。

   減税日本が名古屋市議会で第1党になってまだ3か月。「初心者マークの最初の混乱」で片付けるにはあまりに深刻な混迷ぶりだ、と児玉教授は指摘する。

   河村市長が、従来の独断専行、正面突破型の手法ではなく、「協調」を呼びかけ始めている点に教授はかすかな期待を寄せる。この路線は本物なのか。市長が従来の手法を変えて、他人の意見に耳を傾けることができるのか、に市民は注目しているという。

「妥協を含めた建設的な提言をしていかないと、これからは市政は前に進まないでしょう」
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