経済産業省が2011年6月29日に発表した5月の鉱工業生産指数(2005年=100、季節調整値)は88.8となり、前月に比べて5.7%上昇した。2か月連続の上昇。東日本大震災で寸断されたサプライチェーンが本格的に復旧して、自動車や一般機械などの生産が急回復した。
伸び率は、統計を取り始めた年の1953年3月に記録した7.9%に次ぐ史上2番目の高さ。経産省は基調判断を、前月の「依然水準が低く停滞しているものの、先行きについて回復が見込まれる」から「東日本大震災の影響から回復しつつある」に上方修正した。夏の電力不足で増産の勢いは鈍るが、生産回復の流れは続くとみている。
業種別では、自動車などの輸送機械工業が36.4%増と3か月ぶりのプラス。一般機械工業も半導体製造装置などが好調を維持して5.3%増となった。
なお、出荷指数は5.3%上昇の87.2。在庫指数は5.1%上昇の103.2。在庫率指数は4.9%低下して118.7だった。先行きは6月が5.3%上昇、7月は0.5%の上昇を予測している。