ウィンブルドンでビーナス苦しめた クルム伊達公子のアラフォー・パワー

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   これぞ日本女性のアラフォー・パワー。女子テニスの英国ウィンブルドン大会でクルム伊達公子が元チャンピオンと激闘を演じ、世界に感動を与えた。

   メジャーの中のメジャー、といわれるウィンブルドン。2011年6月22日(現地)、女子シングルス2回戦で伊達は、過去5度優勝のビーナス・ウィリアムスに対し、果敢に挑んだ。第1セットを7-6で取り、スタンドを沸かせた。以後、3-6、6-8と惜しくも落として敗れたとはいえ、元チャンピオンを苦しめた。

大接戦にウィンブルドン盛り上がる

「予想はビーナスの圧倒的有利だった。それが大接戦。伊達の生き生きしたプレーとビーナスが慌てふためく姿が対照的で、ウィンブルドンが異常なほど盛り上がった」

   取材記者はそう振り返った。センターコートの戦いで、40歳の伊達は持てるテクニックを駆使。はるかに大きいビーナスを揺さぶった。

「やるべきことはすべてやった。15年ぶりにセンターコートでプレーできたことはほんとうに幸せだった」

   こう語る伊達には満足感が漂っていたが、一方のビーナスは伊達の技術と戦術に驚いた。

「彼女はコートに合ったプレーをしてきた。ショットの多くをベースラインに打ってきたのは素晴らしかった」

「自分のスタイル」で健在ぶりアピール

   伊達は89年にプロ転向。世界4大大会の成績は日本人ナンバー1。全英、全豪、全仏はいずれもベスト4、全米ではベスト8を記録している。引退は96年、16歳のマルチナ・ヒンギスに敗れ、世界ランク8位の強さを残したままだった。

   ビーナスはその後に台頭してきた。それまでの女子テニス界にはなかったパワーを持ち込み、妹のセリーナとともに姉妹で世界を圧倒した。伊達は外から力のテニスを見ていた。そしてカムバック。08年、37歳のときだった。

「あくまでも自分のスタイルでプレーをする」

   悠然とした試合ぶりで若い選手を次々と破り、伊達健在を内外に示した。と同時に「アラフォー世代」ど真ん中の伊達は、年齢を感じさせないプレーで日本女性の強さを世界にアピールしたともいえる。

「(ビーナスの)スピードに順応できたのは大きな収穫だった。今後も大事に戦っていきたい」

   伊達はそう言い切った。闘志はなお盛んである。(敬称略 スポーツジャーナリスト・菅谷 齊)

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