ウィンブルドンでビーナス苦しめた クルム伊達公子のアラフォー・パワー

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「自分のスタイル」で健在ぶりアピール

   伊達は89年にプロ転向。世界4大大会の成績は日本人ナンバー1。全英、全豪、全仏はいずれもベスト4、全米ではベスト8を記録している。引退は96年、16歳のマルチナ・ヒンギスに敗れ、世界ランク8位の強さを残したままだった。

   ビーナスはその後に台頭してきた。それまでの女子テニス界にはなかったパワーを持ち込み、妹のセリーナとともに姉妹で世界を圧倒した。伊達は外から力のテニスを見ていた。そしてカムバック。08年、37歳のときだった。

「あくまでも自分のスタイルでプレーをする」

   悠然とした試合ぶりで若い選手を次々と破り、伊達健在を内外に示した。と同時に「アラフォー世代」ど真ん中の伊達は、年齢を感じさせないプレーで日本女性の強さを世界にアピールしたともいえる。

「(ビーナスの)スピードに順応できたのは大きな収穫だった。今後も大事に戦っていきたい」

   伊達はそう言い切った。闘志はなお盛んである。(敬称略 スポーツジャーナリスト・菅谷 齊)

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