今後の天井対策に広がりをみせるか
しかし、安全重視に加え、膜天井の良さの情報発信の意味も込め、あえて今回の対応を取った。ほかの公共施設などへの普及が進む契機となれば、ということらしい。
国土交通省住宅局によると、今回の大震災を受け、従来の天井の耐震性にかかわる「技術的助言」を見直す必要があるのかどうかを含め、現在「実態を調査中」だ。膜天井についてきいてみると、現段階では特に注目されている、ということではないようだ。財団法人の日本建築防災協会(東京都港区)も、同省と同様の反応だった。
3月の大震災では、天井落下による死傷者も出た。建物自体は倒壊しないものの天井が崩れ落ちた例は多く、落下の様子を映した動画がインターネット上で公開され注目を集めた施設もあった。前出の未来科学館もそのひとつだ。同館の「膜天井」に関する取り組みは、今後広がりをみせるのだろうか。同館は6月11日から再開している。