2010年度末時点の上場会社の株式持ち合い比率が、過去最低の水準を更新した。野村証券の算出によると、上場会社(保険会社を除く)が保有する他の上場会社の株式の保有割合(持ち合い比率、時価ベース)は、09年度末の11.4%から0.4ポイント低下して11.1%になった。
株式の持ち合いは、事業提携に伴う相互保有や、敵対的買収への対応などで友好的な株主を増やす動きが進んだことから、06年度末から08年度末までの3年間に緩やかに上昇した。しかし、その後は銀行や保険会社などが国際的な規制の改定に対応するために保有株式の圧縮が進められ、またリーマン・ショック後の株価下落などが影響して、低下に転じていた。
さらに、11年3月期の有価証券報告書では「コーポレートガバナンスの状況等」における株式の保有目的の開示が詳細に求められるようになった。野村証券のシニアストラテジストの西山賢吾氏は「企業の保有株式に対する投資家の目が一段と厳しることが予想される。このため11年度も株式の保有圧縮は続き、株式の持ち合い比率は下がり続けるだろう」とみている。