大連立の動きも痛烈に批判
象徴的なのが、みんなの党の参考人として出席した10年10月15日の参院予算委員会での出来事だ。古賀氏は、
「現役で出ていけば問題ないというのは非常に不思議なロジック」
と、民主党の改革案では、現役官僚が独立行政法人に出向することを容認していることを批判。
このやり取りを見ていた仙谷由人官房長官が発言を求め、
「古賀さんの上司として一言、先ほどのお話に私から話をさせていただきます」
「古賀さんをこういうところに、現時点での彼の職務、彼の行っている行政と関係のないこういう場に呼び出す。こういうやり方は甚だ彼の将来を傷つけると思います」
と述べた。このことが「恫喝」だとして、仙谷氏は批判を浴びることになった。
その後も、古賀氏はテレビ番組に出演するなどして、霞ヶ関の体質を批判。5月20日に出版した著書「日本中枢の崩壊」(講談社)では、発電設備を送電網と切り離して経営する「発送電分離」を主張してもいた。
それ以外にも、この著書では、
「『日本中枢』で国を支えているはずの官僚は、実はかくも信頼できないものでありながら、しかし自己保身と利権維持のための強固な連携力だけは備えている」
と、経産省にとどまらず、官僚全般を批判。さらに、
「危機感を煽って大増税が実施され、日本経済は奈落の底へと落ちていくだろう。そのための『救国大連立』の動きさえ表面化した。しかしこれは、『亡国大連立』にほかならないのだ。タイムリミットは、ねじれ国会を解消するための参議院議員選挙がある2013年、私はそう踏んでいる」
と、大連立の動きを痛烈に批判している。
6月21日に東京・有楽町の日本外国特派員協会で行った講演では、自身の進退について
「『あなたのポストはない』と言われるのであれば、もう辞めるしかない。『もうすぐ、そう言われるかしれない』とは思っている」
と述べており、それが3日後に現実化した形だ。