顧客獲得のため、各社のスピード競争が激しい
関西の鉄道網 は首都圏よりもライバル会社へ乗り換えがしやすく、複数の鉄道会社に乗り入れる電車も多い。このため顧客獲得のため、スピード競争も激しい。2005年4月のJR福知山線の脱線事故も、私鉄とのスピード競争に打ち勝とうとしたJR西の焦りが背景にあったとされる。
このため、今回の節電に伴う間引き運転も、JR西や関西私鉄5社にとっては、節電の実効性もさることながら、顧客の獲得競争なのだという。各社とも最終的には間引き運転に踏み切らざるを得ないとみられるが、南海電鉄のように「ダイヤに手をつけるのは最終手段」と慎重姿勢を崩さないところもある。最近では私鉄各社が個別に節電ダイヤに切り換えると混乱しかねないとして、学校が夏休みとなる11年7月20日前後に「各社一斉」に節電ダイヤにシフトしてはどうか――などとする案も取り沙汰されている。