東日本大震災をきっかけに注目を浴びているのが、ツイッターをはじめとする、いわゆるソーシャルメディアのあり方だ。複数のネット利用者に対する調査では、震災でソーシャルメディアが役だったとする結果が出ているものの、調査の対象となったのは日本全国や首都圏の利用者。東北3県のネット利用者を対象にした大規模な調査はまだ行われておらず、本当に「被災地で役立ったか」判断するためには、さらなる調査が待たれる。
メディアしての信頼度はNHKがダントツ
震災後の各社が行ったメディアに対する意識調査では、NHKの圧倒的な信頼度が改めて確認される一方、総じてソーシャルメディアの利用も伸びている。
例えば、野村総合研究所が3月19日と20日、首都圏の1都6県在住の3224人を対象に行ったネット調査で、「震災に関する情報提供で、重視しているメディア・情報源」を複数回答で聞いたところ、上位はNHK(80.5%)、民放(56.9%)とテレビが圧倒的な強さを見せたが、ポータルサイトやソーシャルメディアを挙げた人も、それぞれ43.2%、18.3%いた。また、信頼度が上昇したメディアを聞いたところ、13.4%が「ソーシャルメディアで個人が発信する情報」を挙げた。これは、「NHKの情報」(28.8%)、「ポータルサイトの情報」(17.5%)に次ぐ高い数字だ。
また、ネットレイティングスの調べによると、地震の前週(2月28日~3月6日)に家庭と職場のPCからユーストリームを利用していた人は54万人だったが、地震が発生した週(3月7日~13日)は140万人が視聴。利用者が2.5倍に跳ね上がった。ただし、同社が増加の要因として挙げているコンテンツは、「NHK総合テレビ」。オフィスでテレビを見られない利用者が、例外的に同時配信が許可されたNHKのニュースをPC上で見ていたことが原因だ。ここでも、NHKの強さが裏付けられた形だ。