現状は「節電特需」がけん引役
一方、最近はLED電球や扇風機といった「節電グッズ」が消費をけん引しているのも見逃せない。現状では、この「節電特需」が景気を加速度的に押し上げているとみられる。
消費が上向いている背景には「自粛ムードがやわらいできたこと」(内閣府)があるが、懸念材料がないわけではない。
第一生命経済研究所の嶌峰氏は「電力不足や放射線漏れ、政治の混迷が足を引っ張っていて、消費マインドは回復が遅れている」と指摘する。
いまの「景気回復」はサプライチェーンの急回復という「ポジティブ・サプライズ」の要因が大きい。企業の生産体制は節電の影響で7~9月に一たん伸び悩み、「震災前の水準に戻るのは10~12月期」と、嶌峰氏は予測する。
ただ、企業の生産体制が震災前の水準に戻っても、「需要の悪化が最大の懸念材料になる」と話す。