被災地で見た「希望」に感銘
3日目は校長先生のご厚意で避難所の体育館に入ることができ、私は中学生と高校生の姉妹とお話をした。彼女たちは家を流され、貴重品や大切にしていたものもすべて流されたという。お姉ちゃんは跡地から自分の財布を見つけたが使い物にならないので新しいものが欲しいと言っていた。受験を控えているとのことだが「学校も始まっていないし何も分からない」と不安そうな顔。「自分が止まっている間に他県の学生たちはどんどん進んでいってしまうのでは」という不安を抱えているようだった。他の方も「ゴールデンウイークでボランティアが激減してしまうと思う。仕方ないけど不安だ」と話してくださった。心配していたことがもう起こり始めていて、帰ったらますます丁寧な体制を整えなければならないと思った。
しかし、被災地には悲しみと同時に希望も生まれていた。校長先生のご子息でボランティアの統括をされていた方は、延期になったままの卒業式を夏に開催したいと話されていた。「復興とともに歌津を日本一の町にするんです」。辛い状況や苦労を目の前に、大人が希望を持っていることがこんなにも心強いのだと感銘を受けた。 帰りのバスの中では、チームのメンバー各々が今回の現地入りの感想と被災地に対する想いをシェアし、今後のプロジェクトに繋げていこうと言葉を交わした。