株価低迷が上場に悪影響与える可能性も
また、震災後 の3~4月に上場を予定していた医薬品開発の「ラクオリア創薬」(ジャスダック)、ガラス基板製造の「AvanStrate(アヴァンストレート)」(マザーズ)もそれぞれ市場環境を考慮して上場を延期したが、ラクオリア創薬が7月20日に上場することを決めており、株式公開の再開機運は高まりつつあるのは確かだ。
2011年の通年では、新規上場は30社程度に上る見通しで、前年実績(22社)を大きく上回りそうだ。リーマン・ショック前の2007年(121社)には遙かに及ばないが、未曾有の震災発生という状況を踏まえれば、企業側は積極的と言える。
しかし、水を差すのが地合いの悪さ。日本の株式市場では2010年11月から今年5月第3週(16~20日)まで、外国人投資家が過去最長の29週間連続で買い越して支えた。しかし、米景気の減速懸念から米株市場は軟調で、外国人投資家 のリスク回避傾向が鮮明になり、買い越し記録も途絶えてしまった。6月下旬に新規上場する5社の株価次第では、今年下半期の新規上場予備軍の動向に影響を与える可能性も否定できない。