震災で低調だった新規上場 11年は前年大きく上回る見通し

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   東日本大震災の影響で滞っていた新規上場が、2011年6月に入って再開している。今年上半期(1~6月)の上場企業数は前年同期を上回り、企業側の資金調達意欲の強さも示す。しかし、米株市場の沈滞ムードも加わって相場は思うようには回復しておらず、上場する側には厳しい展開も予想される。

「投資家の皆様から厳しい評価をいただいたことを厳粛に受け止めている」

震災発生後初の新規上場は「クロタニコーポレーション」

   6月9日、金属スクラップ加工などを手がける「クロタニコーポレーション」の黒谷純久社長は、東証2部に新規上場後の記者会見でこう述べた。震災発生後に新規上場が認められた会社として、初の株式公開となり注目されたが、初値は1170円と公募価格(1200円)をやや下回ったためだ。

   黒谷社長は 「当社の上場に震災はあまり関係なかった」とも述べ、上場を先送りせず当初のスケジュール通りに進めたことを強調したが、地合いの悪さは 否めなかった。

   6月にはクロタニのほか、3D画像処理技術などに強みを持つ「ディジタルメディアプロフェッショナル」(23日、マザーズ)▽賃貸不動産仲介の「ハウスコム」(23日、ジャスダック)▽ギョウザなどの飲食店「大阪王将」を展開する「イートアンド」(24日、ジャスダック)▽消火・防災設備の製造、販売の「日本ドライケミカル」(29日、東証2部)▽温度センサーの製造、販売の「SEMITEC(セミテック)」(29日、ジャスダック)……と、一気に計6社が株式公開する。

   このうち、SEMITECは、震災後の株式市場の動揺を受けて4月に予定していた上場を延期していた。この結果、今年1~6月の新規上場数は13社と前年同期比で1社増える。

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