財務省が2011年6月20日に発表した5月の貿易統計速報(通関ベース)は、輸出から輸入を差し引いた貿易収支が8537億円の赤字になった。赤字は2か月連続。リーマン・ショックで景気が大きく後退した2009年1月の9679億円に次ぐ、過去2番目の赤字額となった。
5月の輸出額は、前年同月比10.3%減の4兆7608億円で、3か月連続の減少。米国向けなどの自動車が38.9%減(金額ベース)と大幅に減少したほか、新興国向けの自動車部品や半導体等電子部品が減ったことが響いた。
一方、輸入は12.3%増の5兆6145億円となり、17か月連続で増加した。世界的に資源価格の高騰に加え、原粗油の輸入数量が3か月ぶりに増加に転じるなど、原子力発電の停止に伴う代替電力用の燃料の輸入が増えはじめている。