ウェブ上に攻撃した「成果」を公開
一連のサイバー攻撃は、2つのグループが「犯人」ではないかと見られる。ひとつは「ラルズ・セキュリティー」と名乗る集団だ。頻繁にツイッターで情報を発信。ウェブサイトには、ソニー・ミュージックやPBS、米上院といったこれまでの攻撃の「成果」を掲載している。例えば、上院から盗んだデータを公開し、そこには「我々は米政府が嫌いだ」といった一文も添えられている。一方で、セガに対してはなぜか味方をしており、ツイッター上でセガのアカウントにあてて、
「我々に連絡をくれ。君たちを攻撃したヤツをやっつける手助けをしよう。我々はドリームキャストが大好きだ」
と、セガが販売していたゲーム機の名を出して「エール」を送っている。
6月17日には、一連の活動に関する公式声明を発表。サイバー攻撃をしても黙っているハッカーもおり、本当の被害が分からないことも多いとして、「我々は事態を公表するからこそ、ユーザーは何が起きたかを把握し、パスワードを変更することもできる」と自らの「正統性」を主張している。一方でハッキングを行う理由を「楽しいから」とするなど、その正体はつかみどころがない。
もうひとつの集団は「アノニマス」と呼ばれる。「世界中に仲間がいる」と自称し、ソニーが1億人の個人情報を流出させたのもアノニマスの仕業ではないかと疑われている。6月中旬にはスペインで、アノニマスのメンバーと見られる3人が逮捕され、後に釈放。トルコでも32人が拘束されるなど、各国の警察当局も「対決姿勢」を見せる。
これに対してアノニマスは、ネット上で「報復」を宣言。動画投稿サイト「ユーチューブ」では、米連邦準備制度理事会(FRB)に向けて、バーナンキ議長が辞任しなければサイバー攻撃を仕掛けるとの犯行予告動画が流されている。