オタクな男女を結びつける「婚活サイト」が増えている。一般の婚活の現場では敬遠されることも少なくない。それならば、初めから理解し合うことができ、結婚後もオタクライフを楽しめる相手を見つけた方がいい、というわけらしい。
オタクの婚活サイトを検索してみると、「ヲタ恋」「アエルラ」「オタ恋」「オタこん!」「I`m single」など、たくさん見つかる。ほとんどが最近オープンしたばかりだ。
アニメ「らき☆すた」の鷲宮「オタ婚」がきっかけ
結婚相談所「ファーストコンタクト」がオタクな男女を対象としたサイト「ヲタ恋」をオープンしたのは2011年5月31日。同社は歴史のある相談所なのだが、オタクの出会いの場を提供するきっかけとなったのが2010年11月に埼玉県鷲宮で開かれたイベント「オタ婚」の成功だったという。
鷲宮はアニメ「らき☆すた」の舞台として知られ、オタクが大挙するようになっていた。オタクの出会いの場が少ないことを知った地元の商工会議所が旗を振り、「場」を提供したところ参加希望者が押し寄せた。抽選で男女共に20人が「お見合い」、7組のカップルが誕生した。
ファーストコンタクトの所健一代表によると、一般の相談者はオタクを敬遠する人が多く、身上書の趣味の欄にアニメやゲーム、鉄道といったオタクを感じさせる記述をするのはタブー、というのが業界の常識になっているという。
そうしたこともあって、オタクの人達に出会いの場を提供したいと考えていた矢先、鷲宮での盛り上がりが「ヲタ恋」につながった。
会員登録をすると、匿名でサイトにプロフィールが掲載される。気に入った人がいた場合、会員は相手のメールアドレスを知ることができる。もちろん、アドレスの通知を断ることもできる。ただ、、相談所が2人を結びつけていくことはしないそうだ。
オタク同士のディープな感覚や、専門知識の交流になっていくため、なかなか足を踏み入れにくい。現在会員は30人ほどで、うち20人ほどが男性。会員は増え続け、「オタク同士がいい」と感想を述べる人が多いという。
「結婚を機に趣味はやめられないし、隠れてコソコソやっても楽しめない。それならば最初から理解してくれる相手を求めたい、ということなんです」
一組でも多く幸せなカップルが生まれるように応援していきたい、と所代表は話している。