日本全国に「ゆるキャラ」が乱立するなか、ツイッター上で異様な存在感を見せているのが、北海道長万部町の「まんべくん」(@manbe_kun)だ。長万部町の人口は約6000人だが、まんべくんの読者(フォロワー数)は、その7倍以上の4万5000人に達する。
本来、自分がPRするはずの長万部について「漢字も読めなくてイメージすらされてない」とけなしたり、2ちゃんねらーに対して「全力で来いよ!」と煽ってみせるなど、自由奔放な発言が人気を集めている。
1日に300回はつぶやく
まんべくんは、03年に町の130周年記念事業の企画で、公募で「準入選キャラクター」として誕生。頭が町花の「あやめ」、耳がホタテ、手と胴体が特産品のカニで出来ている。7歳の男の子という設定だ。町のウェブサイトによると、性格は、
「目立ちたがり屋、ドジでおっちょこちょい。温厚でやさしくの~んびりしているが、ものすごく怒った時は、カニばさみで攻撃することもある」
とされている。ずっと知名度が低かったが、2010年10月にツイッターを始めてから急上昇している。Tシャツなどの関連グッズの売れ行きも好調で、「まんべ会」と呼ばれるイベントも札幌などで行われている。
ツイッターでの発言数は6万4000回以上。1日に300回はつぶやいていることになる。読者の声に細かく返信しており、問いかけに同意するときは「コクリ」、朝のあいさつは「おはまんべーッ!」、誕生日を祝うときは「おめまんベーッ!」と、独特の言葉遣いが読者に喜ばれている。
自虐的な物言いも特徴で、読者からの
「あんまり反感買ってると長万部のイメージも悪くなる」
との声には、
「今が最低だからこれ以下はない」
と応じ、
「てかまんべくんが長万部のイメージ壊すとかって一部で言われてるけど、そもそも長万部って漢字も読めなくてイメージすらされてないのに何そのクレームおかしい」
とも反論している。
NHK出演決定に「夢ひとつ叶ったあああああーーーーッ!」
2ちゃんねるに対しても強気な態度で、
「まんべくん2ちゃんねらーに目付けられたよ」
と言われても、
「全力で来いよ!」
「本当の敵はネットにはいない」
と煽ってみせるほどだ。
AKB48の総選挙についても一家言あるようだ。「推しメン」は「こじはる」こと小嶋陽菜さんだそうで、前回と比べて大幅に順位を落とした板野友美さんについては、
「ともちんはソロになって調子乗ってるイメージが先行したから負けた。行ってみヨーカドーの頃が天井」
と酷評。6月10日夜には、テレビ朝日系の「ミュージックステーション」を見ながら、
「口パクだわ」
と毒づいた。だが、篠田麻里子さんについて
「まりこさまは拒食症」
とツイートしてしまい、
「応援してるからちゃんと節度を持って毒吐いてね」
などと苦言が続出。「すまんべ」と、何度も謝る羽目になった。
長万部町役場の総務課企画グループによると、ツイッターの運営は外部の会社がボランティアで行っているといい、
「ああいう、他のキャラクターにはない感じが、まんべくんの良さ。あまりにもひどい場合は注意しますが、基本的には片目をつぶって見守っています」
と、多少の脱線や毒舌は大目に見る方針だ。
また、6月17日未明には
「NHK教育『天才てれびくん』長万部生放送ッ!織田裕二のマネする山本高広が長万部にクルーーーーッ!」
と、6月23日のテレビ番組出演が決まったことを報告。
「まんべくんの夢ひとつ叶ったあああああーーーーッ!」
「公共の電波を使って国民1人残らず洗脳するッ!」
と、独特の意気込みを見せている。